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一戸建て住宅にお住まいの方

戸建の場合少々複雑です。この補助事業の趣旨は15%のエルギー削減ですから、申し込みをする断熱リフォームが15%削減できることを立証しなければなりません。

その方法は2つあり、計算に依る方法とルールブック(公募要領)で明らかにされているリフォームメニューに倣うかです。

 

計算に依る方法

暖冷房で必要とされるエルギー量は、住宅の断熱性能から割り出すことができ、この補助事業においては「住宅住戸の省エネルギー性能の判定プログラム」を使って判定します。リフォーム前と計画をしているリフォームで、それぞれ計算をし、15%削減できることを証明します。この計算方法は一般の方にはできませんし、建築事業者でも正しく扱える人とはかなり限られます。

 

簡便方式による見做し

計算に依らず、ルールブックで定義されているリフォームメニューに従う簡便な方法では、下の2つの部位(場所)は、何か他の部位(場所)と合わせて工事をする必要があります。ただしこれは「弊社の商圏においては」という前提付きです。

・窓

・床

 

求められる性能値

工事は下の表の性能値を満たしている必要があります。難しいようですが、この補助事業はSIIに登録された建材を使うこととされているので、登録商品であれば要件を満たします。

 

天井
(屋根)

外壁

地域

熱抵抗R値≧2.7  

熱抵抗R値≧2.2  

熱貫流U値≦2.33

 

求められる性能(ブルーの部分)は何か

工事する場所に対してどの程度の断熱材を使う必要があるのかを示した性能値です。断熱材はさまざまな種類があるので、評価の際には断熱性能=熱抵抗値(R値)で比較します。この数字が高いほど熱に対する抵抗が大きい=熱が伝わりにくくなります。

 

ただし厄介なのは窓です。窓だけはその逆で熱貫流=窓を突き抜ける熱の割合(漏れる熱量)で評価しますので、数字が小さいほど性能は高くなります。

 

窓は数字が小さいほど性能が高く、他の場所は大きいほど性能が高い。

 

ややこしい話ですね。

 

さて、数字ではわかりませんから具体的には何をどのくらい使えばいいのかを下の表にまとめました。

 

◎天井(屋根)・壁・床は下の表です。

 

断熱材(種類)

厚み

吹込みグラスウール

13.5㎝

高性能ガラスウール

10.5㎝

ロックウール

10.5㎝

高性能セルローズファイバー

10.5㎝

現場吹き付け硬質ウレタン

9.5㎝

ネオマ

5.5㎝

スタイローフォーム

7.5㎝

 

「天井」単独で申し込みをする場合は、上の表以外に、熱伝導率0.041(w/m・K)以下の建材を使うことが要求されますが、これもグラスウールなら高性能タイプを使えば問題ありません。

 

 

◎窓は下のようになります。

メニュー

ペアガラス

Low-Eペアガラス

真空ガラス

窓ガラスの交換

×

内窓の設置(二重窓)


空気層
6ミリ以上

窓交換

アルミ樹脂サッシ
樹脂サッシ
木製サッシ

×

 

 

注意すべきこと ― SIIに登録された商品であること。

これが実は厄介です。多くの断熱リフォームの補助事業は条件の性能を満たすようにすればよいのですが、つまり、補助条件を満たすために不足している分だけ足してあげればOKとされるのですが、この補助制度は登録された量の断熱材を入れる必要があり、方法としては、①今の上に登録された量の断熱材を追加する。②既存の断熱材と入れ替えるかです。

 

柱の太さで壁の空間寸法は決まってしまいますから、東京近郊の多くの住宅ではもし既に断熱材が少しでも入っていた場合、外壁と内壁の空間に決められた量だけ入れることができないはずです。つまり壁に関しては断熱材の入れ替えか、既存の壁の外側か室内側に付け足すような断熱工法とならざるを得ません。

 

全てを整えてあげる断熱リフォームが理想ですが、こうなると付帯工事がとても多くなり、外壁を入れ替える時か、断熱が最優先されるリフォーム案件でない限りは難しいです。

 

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