暑いとはなに?
人の体温は概ね37度であり、この温度を保つために、熱を体から放出しなければいけないと時、人は暑いと感じます。何らかの方法で「体内の温度を下げなければいけないぞ」と感じ取ったときに人は暑いと感じるわけです。そして、熱放出のスピードが遅いほどより暑さを感じます。
汗の働き
体温の上昇を防ぐ機能「発汗」を人は誰でも持っています。これは、基礎代謝や運動により体内から熱が発せられるので、その熱を体内から放出する=体を何等のかの方法で冷やす必要があり、その方法として人は汗をかきます。汗は乾いて蒸発するさいに、まわり=体皮の温度を奪う「気化熱の作用」によって体の表面温度を下げています。
汗が蒸発することで体温を下げるのですから、汗が乾かなければ体温を下げることができません。この時重要になるのは、空気の乾燥の度合い=湿度です。乾燥していればしているほど、湿度が低ければ低いほど(湿気がないほど)、効率よくそして早く体温を下げることができます。暑いとは汗が上手にかけない状態です。
◎「暑い」とは汗が上手にかけず熱交換が上手にできない状態のこと。 |
暑さを決める要因は、①気温が高い事(体温との差が小さい)=温度
②乾燥の度合い=湿度
温度と湿度が暑さを決める
風の働き
熱を奪うものとしては風があります。扇風機にあたれば涼しく感じますし、初夏の頃、サイクリングの風が心地よいこともご納得されるかと思います。夏の時期、東京周辺の平均風速は1m~3mです。この数字は小さくお感じかもしませんが3mは概ね扇風機の「強」に近いスピードです。扇風機であればスイッチさえ入れれば風は思うように吹きますが、自然の風はいつ吹くのか、どのくらい吹くのか、それこそ風任せですので、定量的な期待はず、涼しさを促す補足として扱うことにします。
なぜお部屋が暑くなるのか?
夏、気温が高くなるのは、太陽が高く上がり日射量(太陽からの熱エネルギー)が増えるからです。日射は建物に当たり、建物の外面(外皮といいます)を熱します。この熱はやがて壁材を通過して室内の壁表面の温度を上昇させ、室内の空気を暖めます。この熱の動き(伝導)をできるだけゆっくりさせ、室内の壁表面の温度を上げさせないようにするのが断熱材の働きです。
お部屋を暑くする原因はこれだけではありません。日射は簡単に窓(ガラス)を通り抜けます。窓を通過した日射は床(壁)に当たり床(壁)を熱します。陽が当たった床(壁)が熱くなることはご存じのはずです。この熱くなった床(壁)から熱が放出され、室内の空気の温度を上昇させます。
それ以外にも、一階の金属屋根やお隣の金属屋根から放出される熱が窓を通り抜けて侵入してくる場合が都内のような住宅密集地ではよくあります。